日本糖尿病学会2017で面白かった話題③;肝細胞がんと高脂肪食・アシルカルニチン | 生活習慣病の予防

日本糖尿病学会2017で面白かった話題③;肝細胞がんと高脂肪食・アシルカルニチン

[東大消化器内科の中川勇人Drらの研究]

マウスに高脂肪食を与え化学発癌させた癌部では、様々な炭素数のアシルカルニチン(AC)が著明に増加してており,それはACをカルニチンとアシルCoAに分解する酵素CPT2の低下によって生じていた.CPT2の低下はβ酸化を抑えてlipotoxicityから回避すると同時に,ACを蓄積させることによってSTAT3活性化を介したstem cell propertyの獲得にも寄与しており,肥満環境下での発癌促進に重要な役割を果たすと考えられた.またNASH-HCC患者は血清AC濃度が有意に上昇しており、ヒトでも大事な可能性。

この発がんメカニズムは、大腸がんでも大事なのではないか。

大腸がんの生活習慣上のリスクは、①高脂肪食②赤身肉の摂取過剰(週500g以上)だ。カルニチンの含有量は、ラム肉>牛肉>豚肉。鶏肉や魚の含有量は少ない。カルニチンの摂取量が多いと、大腸や肝臓でアシルカルニチンが蓄積しやすくなるかどうか、が興味あるところだ。