運動で血圧がどれくらい下がるか | 生活習慣病の予防

運動で血圧がどれくらい下がるか

高血圧の治療は塩分制限と運動療法、必要ならば薬物療法ですが、どれくらい運動すればどの程度血圧が下がるのでしょうか。

 

血圧コントロールに3~4剤が必要な高血圧患者53名が対象。平均年齢60歳、平均血圧140/84。

有酸素運動を1回40分、週3回実施するグループと対照グループに分け、12週間追跡調査。

運動強度は、最大酸素摂取量の50%の運動を20分、その後5分ずつ55%→60%→65%→70%と強め、計40分。

その結果、24時間血圧で収縮期7.1mmHg、拡張期5.1mmHg低下。日中で収縮期8.4mmHg、拡張期5.7mmHg低下。診察室で収縮期10.0mmHg低下。また、最大酸素摂取量は5.05ml/kg/min改善。

Susana Lopes MSc et al. Effect of Exercise Training on Ambulatory Blood PressureAmong Patients With Resistant HypertensionA Randomized Clinical Trial. JAMA Cardiology Published online August 4, 2021.

 

60歳代だと最大酸素摂取量は男性で32ml/kg/min、女性で26ml/kg/minが平均的なようなので、運動能力(最大酸素摂取量)が12週間で5.0ml/kg/min改善というのはかなりのものです。

 

しかし運動強度は日常生活だとどのように計測すれば良いのでしょうか。

簡便なのは心拍数を用いる方法です。

自分の最大心拍数を220-年齢と考え、その時に最大酸素摂取量に達しているとします。

運動強度50%は、安静時心拍数と最大心拍数のちょうど真ん中と考えます。

 

例えば、安静時心拍数が60/minの60歳であれば、最大心拍数は220-60=160/min、運動強度50%は心拍数で110/minの時となります。

以下同様に運動強度55%は心拍数115/min、60%は120/min、65%は125/min、70%は130/min。

別に10分ずつウォームアップとクールダウンの時間も必要です。